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【必読】今日から脚本家 番外編(後半)

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物語は人の心を動かすために存在します。

感動、悲しみ、喜び、笑い、興奮、驚き、哀愁、怒り‥‥

視聴後に
何の感想も湧かなかったという結果を望む作家は稀でしょう。

そういった心の動きを発現させるには
物語に対して感情移入してもらわなければなりません。
そして、その感情移入に必要な要素。

それは「好感」です。




好感については、
外面の醜美が大きく関与します。

人は見た目が9割なんて本がありましたが、
僕に言わせれば9割どころか10割、あるいはそれ以上ですね。

美形は何をやってもうまくいく。
美形は何を言っても許される。


何故か?

周りがそうあってほしいと望んでいるから。


不細工は何をやってもうまくいかない。
不細工は何を言っても許されない。


何故か?

周りがそうあってほしいと望んでいるから。


良識ある大人は決して口にしませんが、

不細工に人権などない
不細工は人間扱いされない

「愛」の対義語である「無関心」が徹底して履行される ―


それはこの世の真理であり、
どんな美辞麗句で隠そうと、人間の内心とはそういうものなのです。



まあ、そんな醜男の恨み節はさておき。

問題は ―

その「真理」が創作の世界にまで適用されるということ。


視聴者から好感を得られていない状態で
ストーリーが進行すると、どうなるか?

どんな壮大な展開を用意してようとも、
作中のキャラクターや役者がどんなに頑張ろうと、
無関心であるが故に全てが上滑りすることでしょう。

成功しようが、挫折しようが、どうでもいい。
たとえ死のうが、どうでもいい。


目の前で本当に人が死んだのならともかく、
所詮はフィクションですからね。
フィクションな上に視聴者が無関心な状態では
「どうでもいい」以上の感情を引き起こすのは非常に困難です。





見た目の醜美以外にも、
登場人物に好感を持たせる方法はあります。


サラリーマンや学生など、身近な存在であること。
または、結婚、恋愛、友情、労働、嫁姑問題、介護など、
誰もが経験するであろう出来事をテーマにすること。
「共感」はそのまま「好感」に繋がります。



見た目が美しくないにしても、
個性的な風貌であること。
その他、性格や言動、あるいは口調などにも
魅力的な独自性があること。



正義であること。
もしくは真面目で礼儀正しく、心が強いこと。
これは現実に居たら
まず間違いなく好感を持たれる人物でしょう。
ただし、創作物の中の主役としては
ちょっと面白みに欠けるいい子ちゃんタイプになりがち。
アクのあるサブキャラや
ライバルキャラの方が人気が出る法則が発動します。

また、悪役であっても
一本筋が通っていたり、
振る舞いや行動理念を悪の美学と呼べるところまで洗練させれば
主役以上においしいキャラとなりうる可能性があります。



子供や小動物は、それだけで愛でる対象ですよね。



面白いこと。または破天荒であること。
小学校のクラスの人気者はそんな感じでしょう。



極度に貧乏であったり、不運であったり、
不治の病に冒されていたり、余命半年だったりすること。
自分より明らかに恵まれない境遇に対してなら、
視聴者は気前良く同情的になってくれます。




演劇であれば、
役者が知り合いだったり、親族だったりすること。
わざわざ劇場に足を運び、入場料を払ってくれるほど、
好感度MAXの状態でスタートします。
(演劇という文化が延命できてる理由はコレだと思います)





他にもいろいろあるでしょうが、
この辺に留めておきましょう。

言いたいのは、
好感を持ってもらうためには、キャラ設定の作り込みや
アイデアの投入がそれなりに必要になってくるという点です。


ただここで、キャラクターを美形にしておけば、
そういう苦労や手間暇をすっ飛ばして
容易に好感を持ってもらえるようになります。

キャラ設定に失敗した場合の保険にもなりますし、
魅力の上乗せ効果も期待できます。


全ては好感のため。
そして好感により感情移入を促すためです。



よって、
「何故、登場人物は美男美女ばかりなのか?」
という問いに対する回答例は

そうした方が感情移入しやすくなるから(18文字)

となります。




と、ここまでの論旨を踏まえた上で
我々脚本家がどう書き上げるか、ですよ。


喜劇であれ悲劇であれ、
壮大な物語の創作に心血注ぐのもよいでしょう。
物語そのものも重要です。

ただし、

登場人物が幸せになったとして、
果たして読者が一緒になって喜んでくれるか?

登場人物が不運に見舞われたとして、
果たして読者が一緒になって悲しんでくれるか?

この登場人物は読者に愛してもらえるか?


― 感情移入できる下地はできているか?


そういう面を考慮するのもまた大事ですし、
せっかくの物語を徒労に終わらせたくないのであれば
必須であるといえます。

「つまらない」と評価されたことがある人、
自分の作品の評判がイマイチだと感じている人は、
そういった観点で見直してみるのもひとつの手です。
 

 

 

 


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